刀剣×情報系 刀剣自由研究展

刀剣×情報系Webオンリーイベント刀剣自由研究展の企画ページです。

情報系まとめ作成者に聞く!(vol6:みうら様)

お名前

みうら

出している本/ネップリの主な傾向やコンセプトを教えてください(刀の調査/刀以外の調査/旅行記 等)

馬の総合的な調査

あなたのテーマ周辺で、浅く広く系のおすすめ本をMAX5冊くらいまで教えてください

『日本合戦武具事典』笹間良彦、2004年、柏書房
『馬のきもち』チェリー・ヒル、2018年、エクイネット社/
『小さなウマ飼いになる』2010年、小さなウマ好き編集部/
『馬 日本古代文化の探求』森浩一(編)、1974年、社会思想社

あなたの調べているテーマに該当する、深くコアな内容のおすすめ本をMAX5冊くらいまで教えてください

『日本合戦武具事典』『馬のきもち』→浅く広くでも名前をあげましたが、広い範囲をおさえられると同時に専門的な部分も載ってます。/
『日本農書全集60 畜産・獣医』1996年、社団法人農山漁村文化協会
『厩舎をはじめとした馬用建造物』キース・ウォース、2008年、社団法人日本競走馬協会
『騎馬武者 サムライの戦闘騎乗』市村弘、2017年、新紀元社
馬の博物館からだされている研究紀要各号

調査を始めたきっかけを教えてください

刀剣乱舞で遊んでいて、もともと馬好きだったこともあり、ゲーム内にでてくる馬が気になって二次創作をするようにもなりましたが、その際に馬周りのことでわからない部分が多いと感じていました。自分以外にも馬周りの情報が少なく、二次創作で困ってる方が多いのではないか、同人誌を出すなら馬周りの情報を詰め込んだ資料系のものは求められるのではないかと考えました。

(ネット公開/ネップリ/本など形を問わず)発信したきっかけをおしえてください

同上

集めた資料はどんな感じで管理していますか?(保管およびインデックスつけ等)

主に図書館で借りた本から必要な部分だけルーズリーフでノートを作製する、図はコピー→インデックスをつけてリングファイルに。調べる範囲が広く、後から見返すことが多かったため、まとめすぎず、すぐ見返せるようにアナログで管理しました。

本を作るときのざっくり手順やスケジュール感、こだわり等々を教えてください

継続して本を作っていないので、馬の本を作った際のスケジュールを書きます。

2020年の4月から私事で二次創作にさける時間が減る、とあらかじめ予定が決まっていたため、2020年の3月までに本を完成させると先に締切を設定、参加するイベントと入稿スケジュールを組みました(コロナでイベントはとびましたが)。本を作った経験が少なかったこと、まとめる情報の範囲が広いため本のサイズが大きくなりそうだったことなど、不安な点もあったため、試し刷りをした方がいいと考え、表紙デザインの依頼や試し刷りをかける時期の目処も先にたてました。
本のアイデアは2019年の春頃にある程度かたまったため、晩秋頃には試し刷りをするのを目標に、まずは気になった本をかたっぱしから調べて、自分が何がわかっていないのか、馬周りの情報として求められている情報はなにかを固めていきました。5月には馬の博物館彦根城に見学に行きましたが、まだイメージがかたまっていなかったこともあり、結局2020年に入ってから彦根城には再度見学に行っています。
ある程度まとめる項目が自分の中でそろってきたかなと感じたので、2019年の6月にTwitterで馬周りの情報をまとめた本を作る旨、その中に収録を希望する情報(知りたい情報)はないか告知をし、意見をいただきました。いただいた意見と、さらに調べて増やしてまとめた情報をもとに、9月頃には収録項目はだいたい完成型になっていました。
対象である馬の個別性と、実体験をもとにした情報も必要だと感じたため、11月と2020年の1月に牧場の見学に行っています。
夏までは調べた本をノートにまとめる、情報を増やす、をメインにしていましたが、9月頃から収録項目が定まったこともあり、本の内容を書いていく、足りない情報を洗い出す→調べるのループに入りました。あとはそれを試し刷りも含めて入稿直前まで繰り返していました。

(本)初めて本を作ったときに困ったことと、どんなふうに解決したかを教えてください

本を作った経験が少なかったため、カラー写真や表紙がどうなるのかイメージがつかみにくかったです。
表紙は人に依頼し、試し刷りをかけることで先におおむねの完成型を確かめました。

(本)印刷所選びの基準を教えてください

印刷価格、トラブルの際の対応についての評判、知名度
カラー写真を載せたかったので、希望枚数のカラー写真の収録が可能な商品を取り扱っているかどうかはチェックしました。

(本)印刷所用の原稿を作るとき、表紙と本文それぞれどのようなソフトを使用していますか?

クリップスタジオ
表紙はPhotoshopで作成していただきました

あなたの資料の探し方を教えてください

まずは図書館でキーワードで検索、本がいいものであれば著者の著作や参考文献から芋づる式に調べていく。
その対象を扱っている人(関係者)に取材するのも得るものが多い。

近現代の人物について扱った、あるいは扱いを検討したことはありますか?ある場合、どのような配慮をしましたか?
伝承がたどりきれなかったとき:資料をたどっていって、一旦行き止まりになったときにどうしますか?

『○○(本)にはこう記載されているが、それ以上の情報は見つけられなかった』と書きました。
『ご存知の方がいたらご連絡ください』とま書きました。
昔の馬の情報は残っていないことがほとんどなので、現時点での自分が見つけた情報のゴールを示しておくことで折り合いをつけました。

重要な資料の存在を教えてくれた方などはいますか?まとめる上で特別な扱いや事前のお話などしましたか?

取材させていただいた牧場管理者の方には、あらかじめ資料系の同人誌をつくるための取材をしたいこと、○○について知りたいことを伝え、本に掲載してOKと返事をいただいてから見学に行きました。
その際に教えていただいた情報は、『○○とういこともあるとのこと』『取材させていただいた牧場の方によると~』など、伝聞であると記すようにしました。
本の最初に、牧場への本の内容に関する直接の問い合わせは御遠慮いただきたい旨を記し、参考文献欄にも記載しています。

マイナスの印象を与えるようなテーマを扱うか検討したことはありますか?どのように対応しましたか?

そもそも馬好きなので、現代の馬の殺処分問題などもむしろたくさんの方に知っていただきたいと思っていたので、ごく少ない範囲ですがあえて入れました。
総合的にみてそのテーマの対象を好きになってもらえたらいいな、が前提にあったので、マイナスを上回るプラスを全体でとれれば良いのではないでしょうか。

信頼性の低いネタは扱いますか? 扱う場合には何か気をつけていることなどはありますか?

馬は個別性や土地・時代による文化の違いがあることが前提にあるため、むしろ『絶対にこう!』という伝え方はあまりしないようにしました。
信ぴょう性が低いと言われている文献などは、そうした評判があることも含めて記しました。
一個人の考察でありそれ以外の考えを否定する意図はないことも記しました。

調べてみたら予想と違ってびっくり!となったことがあればおしえてください

とくに厩舎周りの情報がびっくりするほど少なかったこと

まとめたことで、何か得たもの、あるいは起こった出来事、思わぬ反応などありましたら教えてください

ふだん同人や二次創作と縁遠い方面の方からも好評だったこと/
自分に予想以上にスケジュール管理能力と行動力があったので驚いた

何か補足だったり、語りたいことがあればどうぞ

刀剣乱舞の馬の本』は二次創作をする方が一番使うだろう部分の焦点をあててまとめたものなので、馬に関する情報のごくごく一部です。本を手にとってくださった方で、気になった方はぜひご自分でも馬周りを調べてみてください。

これから調査してみる/まとめを作ってみる方に向けて一言!

調査系の本は正直費用がかさみますが、お金と時間をかけたことを忘れるくらいのめりこめる対象物に出会えたなら、製作費なんて気にならないくらい大きな価値を得ることになると思います。
あとこういう作業が好きな方は、もうそういう性(さが)だと思うので、大気圏を突破する勢いでいさぎよくアクセルを踏み込みましょう。