刀剣×情報系 刀剣自由研究展

刀剣×情報系Webオンリーイベント刀剣自由研究展の企画ページです。

刀剣調査に役立つアーカイブ/データベースリンク集

調査テーマによってはまだ紙のほうが強いものの、最近は各種アーカイブやデータベースがだいぶ強化され、以前は閲覧難易度の高かった資料にもアクセスしやすくなりました
が、そんな便利な代物も、存在を知らなきゃたどり着けません。
ということで、役立ちそうなアーカイブ/データベースのリンク集を作成いたしました。

論文

CiNii

国立情報学研究所の学術データベース
書籍の記事などもヒットする。
本文データ/本文リンクが存在するものを絞り込んで検索することも可能。
iOS用アプリもあり

J-STAGE

国立研究開発法人科学技術振興機構の電子ジャーナルプラットフォーム
こちらも、フリー/オープンアクセスの資料に限定した検索が可能

主に現代の書籍

国立国会図書館サーチ

幅広い内容を含むデータベースだが、書誌情報ならここ。

レファレンス協同データベース

司書業務の一つ、資料の照会・探索業務の事例を集めたデータベース。
先人が同じ疑問を問い合わせていた場合、ここを探すと参考になる書籍が記載されているかも。
「日本刀」で検索するだけでも面白い事例多数

国立国会図書館デジタルコレクション

国会図書館所蔵資料をデジタル化したもののアーカイブ
著作権保護期間が満了したものは一般公開されている。
また、著作権保護期間内であっても入手困難な書籍について、国会図書館の利用者登録を行っているユーザは自宅から参照可能(個人送信機能)

カーリル/カーリルローカル

図書館所蔵資料の横断検索。どこがその資料を持っているのか知りたいときに。
カーリルはISBNのついた資料に強く、カーリルローカルはISBNのない資料(古い資料や図録、自費出版物)に強い

主に歴史史料と古典籍

大日本史料総合データベース

日本史での出来事と、その出典史料名のデータベース

国書データベース

古典籍の書誌情報検索
詳細検索から画像のあるもののみの検索可能

Hi-CAT

東京大学史料編纂所所蔵資料のデータベース

国立公文書館デジタルアーカイブ

題名通り近現代の公文書と、内閣文庫として和漢の書籍画像がある
画像データの二次利用可能

古典籍総合データベース

早稲田大学のデータベースで多数の画像有

人文学オープンデータ共同利用センター

崩し字や江戸時代文化などのデータセットやツールを提供している

美術作品

ColBase

国立文化財機構所蔵品統合検索データベース
国立博物館所蔵品の所蔵品が検索できる。
画像について、出典表記を行うことで商用利用可能(規約参照)

e国宝

国立博物館所蔵の国宝・重文データベース
ColBaseとは解説が異なる。
また、検索結果を一覧しやすい

文化遺産オンライン

文化庁のデータベース。文化財について調べるならまずここ。
ただし、過去に刀剣の掲載画像の誤りが指摘されたこともありため、他の資料と合せて確認することを推奨

その他

ジャパンサーチ

日本の多種多様なコンテンツデータベースの横断検索
テーマ別検索や提携データベースリンク等が有用

大正新脩大藏經テキストデータベース

漢訳仏典のデータベース

怪異・妖怪伝承データベース

地方・キーワードで検索すると、伝承の要約が閲覧可能。
また、類似事例の表示機能もあり。

データベースの前にチェックしたい書籍

先に紹介したあれこれは、刀についてなんとなく興味があるくらいの段階で見ると、わけがわからなかったり、あまり面白くなかったり、あるいはおかしな結論に導かれてしまう可能性有。
以下、主催の私見と、いただいた情報が混在している

はじめの一冊(読みやすく、幅広い内容を扱う本)

『図説日本刀大全』『図説日本刀大全2』歴史群像シリーズ編集部
浅く広く幅広く、かつある程度の質が期待できるのに、なんとなく読んで楽しいビギナー向け最適書。
刀といっても細分化すると幅広いジャンルがあるものの、かなりの範囲が網羅されている。
一時期乱造された入門本の多数は、この二冊を土台にしており、より精度の高いこちらを参照したほうがよい。
これから入手するなら誤りの修正された新しい版がおすすめ

『もっと知りたい刀剣: 名刀・刀装具・刀剣書』内藤直子/吉原弘道著
読み心地はわかりやすい教科書といったところ。
前述の日本刀大全ともあまり重複しない内容で、なおかつその先に興味のある人にも有益

『趣味どきっ!刀剣Lovers入門』ポール・マーティン著
他の入門書で扱いの薄い現代工や武術関連を特に扱っている。
深さはあまりないが、導入としてとてもよい本

『ふでばこ 39号 日本刀特集号』白鳳堂
化粧筆の白鳳堂が発行する雑誌の日本刀特集。入手ルートが限定されるが、内容は幅広く確実。
ふでばこ 39号 「日本刀」 – 白鳳堂 - 公式オンラインショップ

一歩先に進む資料/読みやすいが特化した資料

『日本刀は素敵』 渡邉妙子著
佐野美術館元館長による刀剣エッセイ。
読みやすいエッセイの体をとりつつも、深い内容も多数含まれている

備前刀―日本刀の王者』(岡山文庫)
備前の刀に興味があるならこれを

『ニッポンの国宝100 国宝刀剣 ザ・極み』
国宝刀剣に興味があるならここから

『刀に生きる 刀工・宮入小左衛門行平と、現代の刀職たち』塩野米松著
刀剣周辺の職人への聞き書き本。工芸技術としての刀剣

『“超絶技巧”の源流 刀装具』内藤直子著
手に取るより大きなサイズで刀装具の細かい細工が見られる

『日本刀の科学 武器としての合理性と機能美に科学で迫る』臺丸谷 政志
序盤の章は日本刀について知識のない層に向けて、理系らしい文章で日本刀の基礎知識を説明している。
本全体の方向としては力学の観点から日本刀を分析した本

『日本刀ハンドブック』杉浦良幸著
鑑賞方面を詳しく知りたい方むけ

『刀 KATANA』小笠原信夫著
文庫サイズでムックのような読み心地。氏の本としては読みやすいため、『日本刀の鑑賞基礎知識』の手前にでも。

これからがっつり知りたい人向け

『日本刀の鑑賞基礎知識』小笠原信夫著
ぶっちゃけとっつきづらい
その代わり、知識ベースとしては最適

『名刀大全』渡邉妙子/ 原田 一敏監修
最新の知見が一番まとまっている。ただし重たくかさばる高額の専門書であるため、図書館での閲覧推奨。
近所に入っていなければリクエストを試してもよいかも。
(薄利多売の文芸書と違い、専門書は図書館が購入する分も貴重な売上の上、その専門書が何年も経ってから誰かの研究のためになります)